ONE-SLIPの別館
なんだかんだで新車で買って17年、大きなトラブルも無く8万6千キロほど走ったわけですが、最近はプレミアがついたり、発売当初のことを知らない(忘れた)人も多くなり、とんちきなことを言われることがあるので少し思い出を語ってみる。
自分が知る限りなので地域等によっては状況が違うかもしれないという事は断っておきます。
ファイナルは即完売というようなことを言われるが、実際には暫くあちこちに在庫が展示してあったし、割とすぐに走行の少ない車両が中古に普通の値段で出たりしてた。注文はされたかもしれないが購入までいかなかった車両や、乗ってみて早々に手放した人もそれなりにいたと思う。自分も初めてカタナに乗った時、あまりの重さとレスポンスの微妙さに「俺このバイクにずっと乗らなきゃならないのか…」と思ったし。そんな感じで発売後も探す必要はあったにせよ暫くは新車で購入できる状態だった。
値段にしても自分は諸経費込みで定価で買えたので、実質1割引き以上で別に高かったりはしなかった。最後という事でいくつか改良はされていたけど、前の年まで国内仕様のSRがファイナルより定価で10万安く売っていて、その差額で改造できないこともない範囲の改良だったこともあり、雑誌の記事ほど現場では特別扱いされてなかった。
一番盛り上がっていたのはSRを買ってすぐにファイナルの発表を聞いた人だったと思う。
MT-25の走行距離も5,000㎞を超え、長めのツーリングもしたので改めてレビューしてみる。
現状はPuigのスクリーンとキャリア+パニアケースを付けただけで車体はノーマル。
高速道路では100㎞/hの巡航は全く問題なし。それ以上出しても車体は安定している。ただ、+10㎞/h以上になると燃費が目に見えて低下するのと風の影響が無視できなくなる。Puigのスクリーンはデザインだけで選んだが、純正とかMRのスクリーンなら風は多少は緩和されると思う。そこを気にするなら大人しくR25にした方が良い。と言ってもカウルとハンドル以外は同じなので燃費は良くならないだろう。
ワインディングで飛ばすなら登りでは7000回転以上を維持する必要がある。ブレーキングでこれ以下に回転が下がっていると立ち上がりでもたつく。普通のペースや下りでも5000回転は維持した方が良い感じ。ブレーキは普通に効く(基準がカタナだけど)し、エンブレも想定以上に効いてしまう感じがした。
全域でそれなりにトルクはあるけど、どちらかというと高回転型で回転数に応じて素直に出力が上がるエンジンなので、ある程度の回転数は維持する必要がある。この辺ツーリング特化だったり、大型でも自分のように旧車に乗っている場合はGSRの方が相性が良さそうだ。
ここ数年、春に長野というか白馬方面に行くときは必ず国道406号線で行くようにしている。
長野市からは谷沿いで所々で集落がある長野らしい道だけど、20kmくらいは特筆するほどの道じゃない。ただ白沢洞門を抜けると、それまで全く見えなかった日本アルプスがトンネル越しに見えるのがたまらない。
東から白馬方面に向かう道はどれも日本アルプスを見ながら走ることになるし、国道406号より全体がよく見える道もある。でも国道406号は割りと地味な景色の中を走り、白沢洞門手前の数キロは谷沿いの両側1.5車線くらいの酷道なので、トンネルからのこの景色はギャップがあって感動する。トンネルから見ることの効果か、実際にはまだ距離があるのにまるで目の前に聳え立っているようにみえる。